毎回文頭がお久しぶりです、なのは心苦しいのですが、すいません。素でネット断ちでした…死ぬる…orz
感想は書けたら、いいなぁ。
さっき思いついた薄暗い話をひとつ。
捏造双子とは性格は変わらないけど別軸です。本編準拠。
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消えない傷がある。
心の傷ではない。そんなものはもう随分前に薄れてしまって、今や見る影もない。そうではない、物理的なものだ。あの爆発の時、とっさに顔を庇って出来た左手の傷だ。平と甲の間の側面、小指の付け根の少し下から手首の方へ斜めに伸びる一筋の線。一見すれば手相と見紛う程薄く浅いそれは、しかし執念深く強かにそこに在り続ける。十五年も前の話だというのに、だ。心があの忌まわしい事件を忘れていくのを咎めるかのように、奴はそこに在る。確かに傷を見る度に当時を思い出しはするが、だからと言って何をせよと言うのだ。神でもない限り過去に対して関与は出来ないだろうに。無力な自分に、何が出来ると言うのだ。
奴は、今となっては兄の化身のようにすら思える。憎しみと悲しみを訴え続け、そう在ることに全てを賭している。それでもなお記憶は風化し、どこからが本当でどこからが欠損を補ったものなのかも判らなくなっていた。
それでも、持っていろと、いうのか。これを。もう、いいじゃないか。自由にしてくれよ、兄さん。
なのに、どうして。ここはこんなにもあんたのにおいがするんだよ!
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(08/12/07 追記)
これはらいるさんの、表層ではないけれど深層でもない意識。要するにらいるさんが感情であると認識している部分。だので深層の象徴が傷。薄くなりはするけれど、決して逃げられないもの。表層はCBに、中層はカタロンに、深層はにーると家族に、過去に、未来に、それぞれ捧げていけばいいと思います。
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