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keep within touch!

 事後報告を粗方済まして、短いミーティングをして、ぞんざいにシャワーを浴びて、それから、それから。
 ベッドには、辿り着いた、ような。





 誰のものでも良かった。否、厳密に言うと柔らかであれば、熟睡しても四肢に疲れが残らないのであれば、何処でも構わなかったのだ。
 脳内での理論構築は、だがしかし現に自身に発生している事態を打破するには大した効力を持ち得なかった。
 眼前では5フィートを優に超える大きな生き物が寝息をたてている。伏せられた睫は無秩序に散らばる髪より幾らか暗い色で、長い。鼻筋は綺麗に通っている。双眸が見られないのは惜しいが、仕方がない。

 また、無駄なことを考えてしまったなと刹那は寝ぼけた頭で思考を中断した。
 どうしてこんなことになっているんだ。どんなに頭が回っていなくともこの状況がおかしいこと位は判断がつく。目覚めるとロックオンにすっかり抱き込まれていて、最初に目に入ったのは彼の白い首筋だった。少し顔を伏せると普段日に当たらないせいか更に白い胸板、腹筋。何で、どうして、こいつは俺を抱きすくめて寝ているんだ、しかも上裸で。愚問ではあるが、問わずには居られない。

 昨夜は、確かに酷く疲れていたのだ。ミッション所要時間は半日を越え、それは殆ど各々の機体稼働時間に等しい。戦闘時も勿論だが、平時の操縦であっても相当の神経を要する。あの機体は、というかMSというものは皆そう出来ている。
 南海上の孤島のコンテナに帰投して前面のハッチを開けると、緊張がプツリと切れた。シートで脱力している所をロックオンに発見され、ぺしぺしと頬をたたかれる。落ちる瞼を無理矢理上げれば右目に保冷剤をあてた彼がのぞき込んでいた。お疲れ様。もうひと頑張りだ、報告も兼ねてミーティング、五分後だぞ。
 俺の手を引こうとしたのか、それとも頭を撫でようとしたのか。左手を伸ばした瞬間にバランスが崩れた。とっさに右肩と左腕を掴んで止めてやる。握力はすっかり無くなっていて、掴んではいるものの彼の腕の太ささえ判らない。彼も疲れが色濃く出ている。その顔を笑いきれなかった表情にして、ありがとうだとか格好悪いなおれだとか言われた。生憎、言葉を理解することを脳が拒否していた。
 お前こそ、無理をするな。そう言えるほど喉は潤っていなかった。

 あの後はミーティングでスメラギ・李・ノリエガに24時間のオフを言い渡され、イアン・ヴァスティにさっさと寝て今から整備で徹夜の自分に朝飯を作れと約束させられ、件のロックオンとは(自分が覚えていないだけかもしれないが)二言三言しか交わさずにシャワーを浴びてベッドに突っ伏した。

 それだけだ。多分、恐らくはそれだけ。なのにこいつは態々人が寝ているベッドに入ってきたのか。物好きもいい加減にしろと何処かしら抓ってやりたかったが、自分は安眠を妨げる権利を持ち合わせていない。目前の寝顔は酷く安らかで、兄貴風を吹かせるそれともスコープを覗く貌とも一線を画している。
 ふあ、と顔を歪めて欠伸をした。始めこそ驚いたものの今や再度襲ってきた眠気も相俟って全てがどうでもよくなっていた。この暖かさは嫌いではないから、只の保温材とでも思えばいいのだ。ベッドサイドの時計に目をやれば未だ就寝してから6時間しか経っておらず、こんな時でも律儀に常時の睡眠時間を遵守しようとする自分自身に嫌気がさす。
 足の辺りに辛うじて引っかかっていた薄手のタオルケットを頭の天辺まで引きずり上げる。奴の足の長さは勘定に入れない。
 きっと夢ではないから、二度寝して、目が覚めて、碧の視線とかち合ったら、開口一番に罵詈雑言でも吐いてやろう。
 そう思うと、酷く愉快になった。



++++++++++++++++++++++++++++++++++++

自分が潜り込んでいった可能性については全く思い至らないせっつん。
一応、これでも刹録成立前です。刹録はせっつんがかじってかじって、その内喰らってしまった、みたいなイメージがある。勿論そこには録の扇動も介在するけども、本気で喰らわれるとは思ってない。そこからはもう惰性。

取り敢えず録が朝飯作ったら不味くておやっさんに微妙な顔をされます。


続きに録視点。

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

 目が覚めると目の前には天使がいた。



 というのは嘘だ、大幅な語弊がある。確かに可愛らしい旋毛は見えたが、それは天使ではなく紛うこと無き同僚だった。あ、え?と声に出し掛けてそういえばこの子供は眠っている間も音に敏感だったことを思い出す。というか、何か、やらかしたか?刹那相手に?そんな記憶はこれっぽちも無いが人の記憶力なんてたかが知れている。いや、そんなはずは。昨日は相当疲れていたし、それは無いだろう。だとしたら、だとしたならば。
 この、猫みたいに人嫌いする子供が自分の寝床に入り込んできたのか? 可愛いじゃないか、こいつめ。無意識だとしても、甘えだったとしても。思わず声を出さずに苦笑した。縮こまっているせいで滅多に拝めない寝顔を見れないのが惜しい。

 もぞ、腕の中の自分より小さな生き物が身動ぎをする。けもののように喉で呻ってからぱちりと目を開けて四度瞬き。こちらを、向いた。
 テラロッサの双眸と視線がかち合う。刹那はほんの少し逡巡してから、夜這いか?とはっきり言った。
 今度こそ、へ?と声に出して狼狽する。え、なんて、今。やっぱりそういうことなのか?う、わ、刹那!ごめんな!おれ、…っ。
 もしかして、無理矢理、とつい半泣きになりかけた所で、刹那の表情に気付く。目を大きくして、それから顔を歪めて眉が下がった。ちょっと待てよ、これって泣かれるんじゃ。
 途端に子供はおれの胸に額を押し付けて発作のように笑い出した。ふふ、は、おまえ、そんな顔も、するんだな…っ。最後の方は笑いに引き摺られて声が随分高い。寝ていた時よりも背を丸めて腹を抱えている。こんなこいつは、見たことが無い。どうやら先刻の発言は冗談らしいということは分かるのだが、如何せん寝起きの頭は回転が遅い。そうか、笑うと眉が下がるのかこの子供は、等と考えている。
 刹那は一頻り笑った後、いつもの顔に戻って右目は大丈夫か?と訊いてきた。まだ焦点が合い難いが、一日休めば大丈夫だ。そう答えればもう少し休んでいろ、と後腐れも無く腕の中から抜け出して髪をくしゃりと掻き混ぜられた。反論しようとすると視線で制され、朝飯は用意するから、寝ていろと言っている、再度釘を刺された。
 この子供らしい気の遣い方だった。そんなに疲れが顔に出ていたか。今出て行っても剣呑に睨まれるだけだ。それなら未だ暖かいここで、まどろんでいた方が良策だろう。
 目を閉じればぺたぺたと裸足の足音が遠ざかるのが聞こえる。大きな機械音はもうしないから、整備は終わったのかもしれない。



+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


よかったねおやっさん!せっつんは料理それなりに上手いと思うよ!

これでも刹録未満と言い張ります。

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