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らいるさんから見たCB。辛口思考注意!
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おかしい、と脳が叫んでいる。
目の前に居る少女の瞳は紫だ。陽光が差せばさぞ綺麗だろうに、生憎頭上の白色電燈は不健康な色ばかり映えさせる。明るい栗毛はくるくると踊り、子供らしく高いところで結ばれている。時々こちらを見ては、笑ったり難しい顔をしたり、首を傾げたり。その度に肩口で毛先が跳ねる。
しかしその指先が紡ぐ文字列は、自分が引鉄を引く事を発破として装甲を貫き、樹脂を焼き、時には人体をも焦がすのだ。それを少女は、さも課題のレポートでも打つようにこなしていく。そうだ、スクール。そういう場所に通っていたっておかしくない年頃だろうこの子は。お洒落をして、友達と遊んで、守られた時間を過ごす。それが許されるべき年代の筈なのに、この子は、どうして。そんな平気な顔で、もっと人を殺せるようにと指を無駄なく動かしているんだ。少女以外にも自分より若い奴はわんさか居て、最初は少年かと思ったほどの青年は新兵程度の年齢だろうに小銃が酷く似合っていた。もう一人の少女は桃色の髪を揺らしながら目を逸らされたが、あれだって二十にはなっていないだろう。まだ、とどうしても修飾してしまうような歳なのに。おかしい、狂ってる。
じわ。口の中に腹の奥の味がした。いっそ吐きたい位なのに、自分が被ってしまった皮はそれを許さない。終わったです、独特な喋り方で笑いかけてくる少女に眩暈さえした。右手で眉間を押さえれば大丈夫ですか、と心配そうに覗き込んでくる。ヘンズだったらよく効く薬がメディカルルームに有るですよ、無理しないで下さいね?あぁ、人並みだ。ただ人並みの心配をされているだけなのに。矛盾に、ぎり、と疼く。
メディカルルームと言う時に少女が一瞬顔を曇らしたのだって知っている。医者が、この組織の随分初期から参加していた医者が、いたそうだ。四年前に死んでしまったけれど。他にも沢山、仲間を失ったけれど。
あの人は何故、こんな捩れた中で笑っていられてのだろう、偽善にしろ独善にしろ優しさを振りまけたのだろう。それはきっと、あの人も何処かが崩れ、壊れてしまっていたからに違いない。
狂っている、と認識できる自分にせめてもの救いを感じた。
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